この映画をおもしろいと思いたくない自分
なんと昨日はおひとりさまナイト!
夫出張、ムスメ林間学校だったからなのですが、自宅でひとり、夜を過ごすのは本当に珍しいことで。
こんな神様がくれた時間(おおげさ)をどうしようかなーとさんざん悩んだのですが
映画を観に行くことにしました。しかもハシゴ!レイトショー!!
こんな時、歩いて行ける場所に映画館があるのはありがたや。
それに水曜日でレディースデイじゃん。ひゃっほー☆
今日は1本目に観たこの映画の感想を。
(以下、鑑賞直後にメモした内容)
なんていうのか、特別おもしろいわけではないのに最後まで見ちゃった感じ。
というか、
これをおもしろいと思いたくない自分がいる。
出てくる登場人物すべてのおかしみ、かなしみがじわじわとしみわたるような。
だから男は、とか
だから女は、とか
だから子どもは、とか
だから年配の人は、とかではなく。
おもしろいと思いたくない理由のひとつは、
親のようになりたくないと思いながら生きてきたはずなのに、
気がつくととても似ている、という描写にある。
私もまったく同じ過程を歩んでいる気がするから。
たとえば、
実家の母は自分の立場が気まずくなると、すぐだまってしまうクセがあるのだけど、
そして自分は絶対あんな風な行動は取らないと心に決めていたのに
気がつくと夫の前にそうしている自分がいる、とか。
観ている間、自分のイヤな部分をつきつけられていたな。
あと家族だと何してもいい、みたいな
(日本特有の?)前提が主人公の実家に流れていたこと。
あれ、客観的に見ると本当に許せないんだけど
ああいうことする人っているよね、たぶん、大勢。
家族だから...って枕詞がきっとキライだ、私は。
とにかく、池松壮亮と高橋和也は日本映画を支えすぎなんではないだろうか。
あと、樹木さんのあったかさ、というか、かわいげ、というか、ドライな感じが大好きだ。
(以上、原文ママ)
昨日の鑑賞後は、ぜんぜんスカッとした感じにならなくて、モヤモヤして、イライラして、この訳分かんなさを持て余してたんだけど、次の映画までの時間、お茶をしながら感想をメモしてたら少しずつ落ち着いてきました。
私は、家族や親せきなどの血縁や、田舎独特のしがらみがイヤで実家を飛び出した人間なので、かつ現在も最低限しか実家とは連絡を取り合っていない状況なので、自分が苦手な部分をこれでもか、と見せつけられた気がしたのかもしれない。
あと、真木よう子のセリフで
「だからあの時言ったじゃない」とか
「今さら父親ヅラしないでよ。なんでもっとはやく・・・」みたいな言葉は
つい私も言いがちで、言われた時の切なさとか残酷さを疑似体験した感じがなんとも重苦しかった。
主人公のダメダメっぷりには本当に呆れてしまうのだけれど、それでも映画の終わることにはなんとなく憎めない感じになっていたのは、情なのかな。
私には、あのアパートのドアを開けた時の池松くんのいたずらっぽい笑顔が、とびっきりの清涼剤でした。
あとハナレグミの主題歌、最高です。
鑑賞後、こんな風にいろんなことを考えさせる映画ということは、それだけで良い映画なのだと思います。
観てよかった。
みんなは観た後どんな風に感じたのかな。