みぎわ ~meet!give!wonderful!~

なかったことにしないように。自分の中にわき上がる想いを言葉にして表現する場です。転勤族妻。ひとり娘子育て中。おせっかいダイスキ。

転勤族の配偶者は自分のキャリアを諦めるしかない?(2)

さてさて前回の続き。
 
 
表題の問いに対する私の答えは
「諦める必要はない。
どころか、やり方によってはキャリアアップできる!と言いたい。」でした。
 
理由はたくさんありますが、主に3つ挙げてみます。
 
1)人生の棚卸しができる
 
2)マルチタスクがこなせるようになる
 
3)全国に友人知人ができることでリスクヘッジになる
 
 

1)人生の棚卸しができる

 
夫(妻)の転勤に自分の人生が振り回される。。。と捉えがちですが、視点を変えると「転勤ごとに人生をリセットできる」とも言えます。
 
PTA関連や近所づきあいの人間関係がすこし悩ましくても、「これが永遠に続くものではない。いつか終わりが来る。」と思うことで、私はだいぶ気持ちが軽くなりました。
 
もちろん、仲が良くなった人と離れるのはさみしいですが、実際住むところが離れてしまっても、続く関係はいつまでも続くものです。離れることが関係性継続のリトマス試験紙になるというか。
 
また、仕事を退職したり、習い事をやめたりしないといけない場合も多いですが、実際、それらのことは自分にとって適していたのか、なんとなく続けていただけではないのか、そもそも楽しんでやっていたのか、など自分の生き方を見つめ直すきっかけになります。
 
そう考えると、転勤しても同じ会社に働き続けなければいけない夫(妻)が少しかわいそうにすら思えませんか?(転勤の辞令が転職のきっかけになることもあると思いますが)
 
終身雇用制度が当たり前ではなくなった現代だからこそ、転勤という不可抗力で数年おきに自分のキャリアを見つめ直すことは理にかなっている気さえします。
 
ただでさえ、女性は結婚、出産など自分の人生を見つめ直す機会は多いです。そういう意味では、転勤生活をより楽しめるのは女性の方ではないかしら。
 
 

2)マルチタスクがこなせるようになる

 
転勤にともなう引越。これは本当に一大事です。
 
荷物の整理はもちろんですが、私的には多岐にわたるさまざまな変更手続きの負担がハンパない。
 
ざっと並べてみても
・賃貸物件の退去届、敷金返金手続き
・新居の契約手続き(保証人とのやりとりとかさ)
・転入、転出届(ザ・行政なのだよ)
・転校届(子どもがいる場合)
・児童手当の変更届(所得証明必要だったり!)
・電気、ガス、水道の中止手続き、開始手続き
・ネット環境の工事手配
郵便物の転送届
・住所変更(口座、クレジットカード、登録サービスほか)
・知人、友人への連絡
などなど。
これでもほんの一部です。
 
マイナンバー制度がスタートしたから少しは楽になるのかと思ったら、全然でした。逆に手間が増えた感じ。。。
 
でも、でもでも、これだけのタスクをもしひとりでこなせたとしたら、それは超☆仕事ができる人間に違いありません。
しかし!ひとりでやってはなりませんよ。家族の引越なんだから、夫婦一緒にいろんな手続きをすすめましょう。
 
ただ、引越に必要な手続きや流れを知っているだけでも、それは大きな強みになります。私たちの生活はいかにたくさんの仕組みや制度に支えられていることか!
それに、子どもや友人がひとり暮らしを始めるときにも、何が必要かが分かっていることでいろんなサポートができる。
 
人事担当のみなさま。
採用時に、引越手続きをしたことがある人は即戦力になると思いますよ。とにかくサバイバル能力が高いはずです。
 
 

3)全国に友人知人ができることでリスクヘッジになる

 
3.11当日。私は広島にいました。
その瞬間、スカイプをしていた相手の「あ、地震。。。窓から見える隣の家の塀が崩れてる。。。」というチャットの文字でただならぬことを感じて。
 
当時勤務していたNPO法人マドレボニータの活動を通じて、東北、関東にも知り合いが多かった私。広島に引っ越す前は東京にも住んでおり土地勘はあったので、帰宅難民になっていた友人にツイッター経由で避難所情報などを件名に伝えたりしたことを、今でも鮮明に覚えています。
 
仕事柄、乳幼児を持つ友人も多く、震災直後は食べ物、飲み物、物資の心配などを彼らは抱えていました。 そんな友人たちに、広島にいる私ができることがあれば何でも言ってほしい、と伝える日々。
幸いというべきか、私が彼らに何かをできたわけではなかったのですが、マドレボニータ事務局のスタッフほとんどが関東に暮らしていた当時の環境において、私がそこから遠く離れたところに暮らしていたことは、日々の業務を滞らせることなく遂行できた要因のひとつではなかったかと思います。
 
一方で。
例えばドデカイ夫婦ケンカをしてしまったとして。家出のひとつもしたくなりますよね。していいんです。すべてを投げ出してひとりになったりしていいんです。
 
でも、どこに行きます?
今の私なら全国いろんなところに家出先があります。東京、新潟、千葉、広島、、、、ヒュッと(こないだまで住んでた)福岡に行ったらまず宿泊先には困らないんではなかろうか。
 
世の中には愛のない正論があふれています。それらを真に受けていたら息苦しくて生きていけなくなる。
 
いざのという時のために逃げ場所をつくっておく。転勤を数回繰り返していたら、現実逃避できるくらいの距離に頼れる友人ができるはずです。不思議なことに、いつでも逃げられる場所が私にはたくさんある、と思うだけで、じゃあもうちょっと逃げずにがんばろうかな、という気になったりするもので。
 
上記にあげた例は、自分が逆の立場になったら、、、と想像しても本当に心強い。その友人が同じく転勤族だったりしたら、ものすごい勢いで頼る先、家出先が増えていきますよ!
 
 
とまぁ、つれづれにダラダラと書いてきましたが、みなさんが思うキャリアアップとはちょっと違う内容だったでしょうか。
 
私にとってのキャリアアップとは
「この瞬間が前よりもより楽しく感じられること」。
 
だとすれば、結婚後数回の転勤(という試練)を経て、私はより人生を楽しんでいるし、今後も楽しくなる気がしてならない。
 
そうそう、配偶者がこれだけ転勤を楽しんでいると、転勤する本人(うちの場合は夫)も「自分のために妻の人生を振り回してしまって。。。」なんて変な罪悪感をもたずに済むから、本当に健全です。
 
転勤バンザイ!というわけでは決してないし、できればムダな転勤はなくなった方が良いと考えですが、いま自分たちがおかれた環境をいかに楽しく満喫するか、という視点は絶対に忘れたくありません。
 
上記にあげた主な3つの理由以外にも
「転勤は家族のチームワークを強くする!」
という超オススメポイントがあるのですが、それは別の機会に書きますね。